
『読書メーター』で255文字の感想文を書きたい!
こんなお悩みを解決します💨
- 感想文が1~2行で終わってしまう人(★★★★☆など、評価のみの人を含む)
- 「面白かった」と書くけど、「どこがどう面白かったの?」と聞かれると答えられない人
- たまに(数冊に1冊など)しか感想文が書けない人
そもそもなぜ、読書メーターの感想文が書けないのでしょうか?
それは感想文を書き慣れていないこと、「255文字」という文字数がくせ者だからです。
感想文が苦手で、まったく書けない人には “長すぎる”。
書くことはたくさんあるけど、文字数オーバーしてしまう人には “短すぎる”。
この絶妙な文字数によって書けない…という人が多いのではないでしょうか?
今回は私が実際にやっている「自分自身に質問する」という方法で、255文字の感想文が書けないお悩みを解決していきます!
【ビジネス書/実用書】の感想文を書くための質問


①「そもそも」どんなことが書かれている本なの?
感想文のなかで意外と忘れられがちなのが、この「どんなことが書かれている本なのか?」です。
本のタイトルを見るだけで内容がハッキリわかる本もあれば、そうではない本もありますよね。
とくに「タイトルから内容が想像するのが難しい本」の場合には、感想文のはじめでどんな内容の本なのかを簡潔に説明するようにしましょう。
これを意識するだけで、「感想文を読んだ人を置いてけぼりにする文章」からいますぐ卒業できます。
②この本の「著者」はどんな人?
「著者=本を書いた人」を紹介することで、「本としての魅力」や「説得力」が増すときなどに使います。
いちおう調べればわかることではあるので、必要と感じない場合は、感想文に盛り込まなくて大丈夫です。
「専門分野」「経歴」「他の著者にはないとがったところ」などが紹介文として書きやすいと思います。
③この本を手にとった「きっかけ」or「目的」は?
感想文に「あなたらしさ」を出すのにうってつけなのが、この「きっかけ」や「目的」です。
とはいえここに文字数を割きすぎると255文字では足りなくなったり、感想文を読んだ人の「自分ごと」から遠ざかってしまったりする可能性もあるので、注意が必要です。
思いのままに書くと自分にしかわからない「きっかけ」や「目的」になってしまいがちなので、感想文を読んだ「あなたのことを知らない人でもわかる内容」になるよう心がけましょう。
④この本ならではの「魅力」はどんなところ?(類書との相違点)
「当たり前のことしか書かれてなかった」
「とくに真新しい内容はなかった」
こんなふうにひとくくりにしてしまうのは簡単です。
同じジャンル(例:文章術、読書術、話し方など)の本であっても、テーマだったり著者なりの表現だったり、何かしら他の本とはひと味違う部分がきっとあるはずです。
「よくあるカレーだった」とひとくくりで感想を述べるのか、「酸味がきいたトマトカレーでした」「ほどよい辛さが食欲をそそるキーマカレーでした」「まろやかなバターチキンカレーでした」など、具体的な部分に踏み込んだ感想を述べるのか。どちらが読んだ人の印象に残りやすいでしょうか?
これは感想文を書くときだけでなく「本から学びを得る」という視点でみても得する考え方なので、「ここは他の本にはない魅力だ…!」と感じた部分があれば、積極的に感想文へ盛り込んでいきましょう。
⑤この本から得た「一番の学び」は?
あなたにとって「これはいい本だ!」を感じた本であればあるほど、よかった部分をひとつに絞るのは難しいと思います。
それでも「この部分が本当に学びになった!」とひとつに絞ることで、本の内容が圧倒的に記憶に残りやすくなるでしょう。
学びをひとつに絞ることで、同じ本を再読するときに「ここは前回読んだときに注目した部分だから、今回は他の部分に注目してみよう」と、感想文を自分のためにも活かしやすくなります。
⑥この本の「惜しいところ」は?
本を読んでいて「もやっとしたところ」や「うーん…」と感じたところがもしあれば、感想文に添えてみるのもありです。
とはいえ「よかったところ」が他にあったうえでの「惜しいところ」なので、この部分を掘り下げてガッツリ書くのはおすすめしません。
あくまでも「添える程度」にとどめておくのがよいですね。
⑦この本を「おすすめしたい人」はどんな人?
あなたの感想文を読む人はどんな人でしょうか?
「その本に興味があってどんな内容なのかを知りたい人」
「タイトルや表紙にひかれて本の詳細をクリックした人」
「Amazonレビューを読んだけど、読書家さんの感想も読みたい人」
こういった理由で「他の人の感想が読みたい!」と考える人が多いはずです。
であれば、「読んでくれた人の役に立つ感想文」が書けたほうが、自分のためにも他の人のためにもなる ”一石二鳥” な感想文になるはず。
もし「あなたの感想文を読んで、この本を手に取りました!」なんて言ってもらえたら、すごくうれしいですよね。
①そもそもどんなことが書かれている本なの?
④この本ならではの「魅力」はどんなところ?
⑤この本から得た「一番の学び」は?
ただ「こんな人におすすめ!」と書いてもよいのですが、上記の①・④・⑤などがしっかりと感想文に盛り込まれていれば、相乗効果でより「おすすめしたい人に刺さる感想文」になってくれるでしょう。
【小説】の感想文を書くための質問


①「そもそも」どんな小説なの?(※シリーズの場合は1巻のみ)
「シリーズ1巻目」や「続きの巻がない作品」の場合は、
「その作品に興味はあるけど他にも気になる作品がたくさんあり、読む優先度を決めかねている人」
「作者は知っているけど、その作品をまだ読んだことがない人」
「そもそもその作品をまったく知らない人」
このあたりの「まだその作品を読んでいない人」に向けて書くのがおすすめです。
ネタバレしない程度に情報をちょい出ししつつ、その作品への「興味」や「読む優先度」を上げるような感想文が書けたら最高ですよね。
正解はないので、感想文ライターとして腕の見せどころになります。
②この巻の「ストーリーの魅力」or「あらすじ」は?
逆にシリーズ2巻目以降(上下巻ある作品の下巻、第7巻など)の場合は、
「すでにその巻を読んだけど、他の人の視点で書かれた感想文が読みたい人」
「読んだのがだいぶ前なので、その巻の内容を簡単におさらいしたい人」
など、「すでにその巻を読んだことがある人」に向けて書くのがおすすめです。
その巻ならではの【ストーリーの魅力】や【登場人物の魅力】、【あらすじ】などを冒頭にしっかり入れておくと、安定感のある感想文になると思います。
当然ですが、どんなに多くの人が読んだ「大ベストセラー小説」であっても、すでにその巻を読んだ人というのは「日本の全人口」からみればほんのわずかな割合しかいません。
無自覚な「重めのネタバレ」で誰かを不幸にしてしまう感想文を書かないためにも、シリーズ2巻目以降の感想文では「ネタバレフィルター」をかけておくのが無難でしょう。(ネタバレがほぼない、安心安全な感想文が書ける人であればそのかぎりではありません)
ネタバレフィルターをかけておくことで(心理的にも)自由度の高い感想文が書けるようになるため、読み手だけでなく書き手にとってもメリットになります。
③この巻の「テーマ」は何?
あなたが感じたその巻全体の「テーマ」のようなものがあれば、感想文に添えてみましょう。(例:「家族愛」「友情の物語」「◯◯(登場人物の名前)の成長」など)
テーマを掲げることで、またいつかその小説を読んだときに「前に読んだときはこんなことを感じながら読んでいたのか…!」という発見につながりますし、1回目と2回目の感想文が似通ったものになってしまうのを防ぐこともできます。
実際に合っているかどうかは問題ではなく、あなたがそう感じたテーマだということが大切です。
④この巻で「一番よかった登場人物」は誰?
小説に登場する人物のうち、ひとりにスポットライトを当てて書くと、感想文としての個性が際だちます。
シリーズをとおして思い入れのある登場人物でもいいですし、他の巻ではパッとしなかったけどこの巻では活躍していた登場人物でもいいですね。
ふだんの『ドラえもん』のアニメ放送ではパッとしないけど、映画版になると「突然射撃の腕前を披露しがちなのび太くん」や「友だち想いのいいやつになるジャイアン」あたりのニュアンスを文章で上手く表現できれば最高です。
⑤この巻で「一番好きなシーン」or「セリフ」は?
「好きなシーン」や「好きなセリフ」が具体的に書かれていればいるほど、感想文としての魅力が引き立ちます。
正直なところ、よい小説を読んだあとは往々にして「あのシーンもよかった!」「このセリフもよかった!」となりがちですよね。
そこをあえて絞り込むことによって、中身の引き締まった感想文に仕上がっていくはずです。
⑥この巻の「惜しいところ」は?
どんなに好きな作品ではあっても、シリーズ小説を追っていくとどこかで「好きになれない展開」や「ムカついた登場人物」などが出てきます。(※もしまったく出てこないシリーズ小説があるなら、それはあなたにとって幸福な出会いだと思います)
たとえネガティブな感情であっても、小説を読んで感じた気持ちはあなたにしかない尊いものです。その気持ちを大切にしながら、「なぜ自分はこの展開が好きになれないのか?」「なぜこの人物にムカついたのか?」を具体的な言葉にしてみましょう。
その展開や登場人物がとくに気にならなかった人も大勢いるはずです。その人たちに「なるほど、そういう視点もあるのか」と思ってもらえるような文章になるよう意識すると、より届きやすくなるはずです。
ひとつだけ注意点があって、感想文の前半8割がずっとポジティブな内容でも、最後にネガティブな感情を置いてしまうと「ピークエンドの法則」によって、感想文全体の印象がネガティブなものになってしまいかねません。
もし小説の感想文のラストが「ネガティブな感情」で締めくくってある場合は、文章の順番を並び替えてみましょう。
「小説の感想文はポジティブな感情で締める」と頭の片隅に入れておくと、せっかく書いた感想文が文章の並べ方のみによって台無しになってしまうのを防ぐことができます。
⑦この巻を「おすすめしたい人」はどんな人?
シリーズ小説の避けられない運命ではあるのですが、1巻に比べると2巻、3巻と、数字の大きい巻になるほど読んだ人が少なくなっていきます。
小説の感想文に使う「自分への質問」としては優先度が低いものの、1~2巻くらいでシリーズを追うのをやめてしまった人でも「この巻のここだけは読んでほしい…!」という熱い想いがあれば、感想文として入れてみるのもありです。
「自分への質問」を「感想文」に育てる手順
【手順1】
スマホ、パソコン、紙のメモのいずれかに「自分への質問」テンプレートをコピーして貼りつける、または書き写します。
①「そもそも」どんなことが書かれている本なの?
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②この本の「著者」はどんな人?
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③この本を手にとった「きっかけ」or「目的」は?
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④この本ならではの「魅力」はどんなところ?(類書との相違点)
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⑤この本から得た「一番の学び」は?
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⑥この本の「惜しいところ」は?
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⑦この本を「おすすめしたい人」はどんな人?
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①「そもそも」どんな小説なの?(※シリーズの場合は1巻のみ)
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②この巻の「ストーリーの魅力」or「あらすじ」は?
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③この巻の「テーマ」は何?
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④この巻で「一番よかった登場人物」は誰?
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⑤この巻で「一番好きなシーン」or「セリフ」は?
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⑥この巻の「惜しいところ」は?
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⑦この巻を「おすすめしたい人」はどんな人?
→
【手順2】
本を読み終えたあとで、それぞれの「自分への質問」の答えを穴埋めしていきます。(※どうしても答えが思い浮かばない質問は飛ばしてOK)
このとき、本を読み終えてからの時間が経てば経つほど内容を忘れていくので、できるだけ読み終えたらすぐに埋めていきましょう。
きちんとした文章ではなく、「ひと言メモ」のような形でもとりあえずはOKです。
【手順3】
文字数をカウントしてくれるサイトにアクセスします。(私が使っているサイト→【文字数カウント】)
Googleで「文字数カウント」と検索すればいくつも出てくるので、自分が使いやすいサイトを選べばOKです。
【手順4】
それぞれの質問の答えのうち、「ここは感想文に使えそう」と感じたものを2~4つほど選び、質問①~⑦の順番で【手順3】のサイトにコピーして貼りつけます。
【手順5】(意識しておきたいこと)
ここでポイントなのが、すでに文字数が500~700文字をオーバーしていることです。
感想文の完成形が255文字だとして、その2~3倍くらいの文章のカタマリから、必要な部分以外をどんどん削ぎ落していくイメージになります。(「木の彫刻」や「氷細工」をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません)
文章が苦手な人はおそらく「文章は頭で考えながらまっしろなメモに書いていくもので、目標の文字数に達したら自然と書き上がるもの」という認識の人が多いのではないでしょうか?
たしかに文章力に自信がある人、書き慣れている人であれば、その方法でも問題なく書けるかもしれません。しかし、この記事でお悩み解決の対象としているのは「文章力に自信がない人」「感想文に苦手意識がある人」です。
料理が苦手な人が、いきなり「レシピなしの完全オリジナル」で料理を作ってもなかなか上手くいかないように、文章もまずはレシピどおりに作っていくことが大切なのです。(※マンガだとよく「料理が苦手なキャラクター」がカレーにチョコレートとかのアレンジを入れたがるシーンが出てきますよね)
文章も料理と同じで、アレンジを加えるのはレシピに慣れてからでも遅くはありません。
【手順6】
感想文としてしっくりくる部分を残したり、ひと言メモの部分を文章に仕上げたりしながら、「ここはいらないかな」と感じた部分をどんどん削ぎ落としていきます。
文章をこねくり回して255文字の感想文に磨き上げていく過程で、削ぎ落とした部分がまた必要になる可能性もあります。
ですので、ただまるごと消すのではなく、他のメモなどに退避して残しておくのが無難です。(※【手順2】で穴埋めした「質問の答え」とまったく同じ文章なら残さなくても問題ありません)
ちなみに私はこの「自分への質問」を「感想文」に育てる手順を、パソコンのメモ帳でおこなっています。
理由は『Ctrl + Xキー』で指定した範囲を切り取り、『Ctrl + Vキー』で退避場所のメモ帳に貼りつけるのを一瞬でおこなえて便利だからです。
自分なりに効率のよい方法であればどんなやり方でも問題ないので、いろいろ試しながらしっくりくる方法を見つけてみてください。
【手順7】
【手順4】で用意した文章のカタマリを255文字に磨き上げたら感想文の完成です。お疲れさまでした(っ´∀`)っ🍵
「どんなふうに感想を書けばいいかわからない……」と感じていたころと比べて、中身がギュっと詰まった感想文に仕上がったのではないでしょうか?
質問①~⑦の順番は、私なりの「感想文として並べたときに、なるべく自然な流れになる順番」にしてあります。
とはいえずっと同じ順番のままだと、感想文のワンパターン化やマンネリ化が気になってくる人もいるかもしれません。その場合は、質問の答えの文章に注目して、質問②~⑦の部分の順番を入れ替えてみるのもおすすめです。
どちらにしても、まずは「レシピどおりに感想文を書く」ことに慣れてきてからでまったく問題ありません。
【おわりに】「感想文が苦手…」から卒業したいあなたへ
運動不足の人がいきなり「毎日10km走るぞ!」と意気込んでも、まず挫折してしまいますよね。
感想文も同じで、いきなり「クオリティの高い感想文を書くぞ!」と思っても、
「書くことに慣れていない…」
「何を書けばいいのかわからない…」
など、理想と現実のギャップからすぐに挫折してしまいます。
まずは「感想文で何を書けばいいのか?」=自分への質問を意識しながら本を読み、いまの自分が書けることをコツコツ書いていけば大丈夫です。もちろん、「読書を楽しむ」こともお忘れなく。
書き慣れて余裕が出てくれば、この記事にはない「オリジナル質問」を自分で決められるようにもなりますし、「質問にない部分」にも触れた(=レシピにアレンジを加えた)文章が書けるようになります。
この記事をはじめの一歩として、「自分への質問」を「感想文」に育てる経験を一緒に積んでいきませんか?
「感想文への苦手意識」がなくなれば、読書の時間をいまよりもっと有意義なものにできるはずです。
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